2008.09.09(Tue)
さて、前記事で、あれだけダラダラ長々と語った割りには、
キネマ旬報社 発刊 「BSアニメ夜話 Vol.8 鋼の錬金術師」において
私的ヒットポイントはまったく別のトコロだったりします。
ハイエド者として注目すべきはやっぱり↓ココでしょう

劇場版の作品解説において、クレジットが
主人公エドワードさんの次にハイデリヒが来ております!
ちょっ! ハイデリヒさん!!
明らかにセリフ量&登場時間でまさる実弟様を差し置いてなんて事を!!!! 暗闇に注意してねw
つか、なんでエンヴィーにまで抜かれてんの? 実弟様?
ミュンヘンサイド→アメストリスサイドの順なんかなぁ……
にしてはセリフ量の多かったエッカルトの名前ないし???
と、まぁ、ネタ的にはソレ以上広がりはないんですが、 このアニメ夜話での作品ガイド、
各話のタイトル・脚本家・絵コンテ・演出・作画監督・あらすじ、
そして放送日までわかる一覧になっています。
シナリオブック等こういった書籍やWEBページは他にもあると思うのですが
全盛期に極力アニメの関連書籍は買わないようにしてた身としては便利です。
本当は正式発表が出てから記事にしようかと思ったのですが
正式発表出ないうちの方が好き勝手言えるかなと逆転の発想で今の内に記事にしておくのが
再アニメ化時の脚本家として一番に名前のあがっている高橋ナツコさんの担当回。
■6話 国家錬金術資格試験
アルの錬金術師としての能力を甘くみて、身体検査に関して何の対策も考えなかった
無能大佐が、更に水素のつまった気球に焔と無能っぷりをそそごうとしたり、
一歩間違えれば、エドの二つ名が「鋼の」ではなく「花冠の錬金術師」になってたかもしれない
トンデモ国家錬金術資格試験の回。
試験合格の帰り道、エドに「くよくよ悩むのやめにする」と決意させておきながら
それは次の7話のニーナの事件(7話は會川脚本)で叩き落とす為の布石だったりした。
また、エド自身が手パン錬成できる事に気づくのが、
エリシア誕生時の産湯を温める為や資格試験のどさくさだったという、
どーなんソレ?なきっかけだった。
■11話 砂礫の大地・前編
エドがラッセル戦で腫らした頬を鎧アルのフトモモで冷やして過ごす月夜のきれいな丘
などという風景をみせてくれた回
小説版に比べるとマグワールだけが悪人で
町の人たちにも非がある事と、それを自覚してる描写がなかったのが残念。
■17話 家族の待つ家
エドのシャワーシーンはあからさまなサービスシーンでしかなかったけど
実は原作にそったまま改変・追加したシナリオとしては良作だったと思う。
その1:これはどこかのサイトかブログさまで指摘されてて出典がわからなくなってしまったのだけれど
エドの銀時計の中身をみるにあたり、
原作では単なるデリカシーのない好奇心のみだったのに対し
アニメ版では、ウィンリィの技術職人としての好奇心・探究心から
時計の分解と再組み立てが目的だった点。
その2:トリシャ母さんが夕暮れ時に帰りの合図として灯していたランプを
今回はウィンリィが照らしていたという、いかにもイイ話ダナーというエピソードの追加。
ただコレ、會川さんが初期メモの時点でパラレルワールドの構想があったり
「ロックベル家ですら、いつか兄弟の帰る場所じゃなくなるかもしれない」との発言があったりで
けっこう鬼畜な扱いしてるよなぁとも思う。
この時点でエルリック兄弟はウィンリィの両親殺害が増田によるものだと知っているのに
ウィンリィはともかくピナコに話したり、トリシャの墓参り時にロックベル夫妻の墓も描写する等、
リゼンブールにいる間それに関する言及がまったくなかった点においても
會川さんとの連携がとれていたか謎であるつーか、
両氏がこの辺の脚本を書いてる時点で、最終話までの構想は決定まではしてなかったんでは
なかろうか。
■23話 鋼のこころ
「エドの誕生日は冬設定」が破綻した回。
「6話 国家錬金術資格試験」でヒューズ家でエドの誕生日を祝うさなか
グレイシアさんが産気づいて、ヒューズさんが吹雪の中、お医者さんを向かえに行った筈なのだが、
23話において、エリシアちゃんと誕生日に招かれたウィンリィの服を見る限り
とても、雪が降るような季節には見えません。
一番アイタタタなのは、6話も23話も高橋ナツコさん(同一人物)による脚本であるという事。
ちなみに放送日は11月8日と3月13日。
放送中の視聴者の体感季節にあわせたという大人の事情なんだろうと思ワレ。
(夏は南部とかイシュヴァールとか、暑い地域を舞台にしてたんだよねぇ)
「子供篇」に至っては、エドじーちゃんの誕生日は真夏になってしまっているが
コレに関しては現実世界とアメストリス世界の一年が実は同じ周期でまわってないとか
アメストリスは南半球にあって、日本とは四季が逆転してるんだとか逃げようはある…かも…しれない。
それはさておき、24話(井上敏樹脚本)へと跨ってしまうのだが、
原作においてウィンリィがアルに「エドがアルに怖くて聞けなかった事」を話してしまうのは
正直、僭越といおうか、出しゃばりといおうか、筋違いじゃないかと思っていたので、アニメ版で
シチュエーションや台詞回しがどうあれ、エドがきちんと自分の口でアルに確認する流れになった
のはよかったと思っている。
惜しむらくはウィンリィの「追っかけなさい! 掛け足!!」のお姉ちゃん然とした
セリフが入る隙がなかった事でしょうか。
アニメと原作では、アルの「魂も記憶も全部でっちあげ」発言のあとに
その場から逃げ出したのがエドとアルで逆転してしまってるのでしょうがないのだけれどね。
しかし、病院の屋上でアルに逃げられたエドの女々しい事この上なかったな。
■26話 彼女の理由
アバンでエドが入院時にかかった請求書を大佐に回す場面(ロス少尉経由)で
エドが遊びそうにない人形のおもちゃやら本の代金まで含まれていたのは
単なるエドの大佐への嫌がらせだったのか気になるところ。
パニーニャの損傷を原作の両足のみならず、片腕まで追加する鬼畜っぷり(笑)
「自分が機械鎧の面倒みるから、危険な旅はやめて欲しい」云々の発言で
鎧アルはあのまんまでいいちゅーんかい! と私を激怒させたウィンリィの回
実にエドしかみえてなく、ヒドインと言われてもかばいようがないのだが、
劇場版までみると、いっそ清々しいほどアニメ版ウィンリィはアルフォンスが
アウト オブ 眼中だったようで、ある意味、初志貫徹だったと言える。
以上5話が高橋ナツコさんの担当回でした。
お名前から察するに女性と言う事でウィンリィがキーになる話を割振られたのでしょうかねぇ?
でも、やっぱ。26話の発言はねぇべよ…… どんだけ乙女脳やねん。
新シリーズが原作準拠で進むのなら、果たしてどんなウィンリィになる事やら。
どーか、ヒドインの汚名が返上できますよーに。
兄弟に関しては過剰サービスに走る傾向があるようなので
ウィンリィの扱い方を一歩間違えると、前作以上に兄弟腐臭の強くなる可能性大です。
ちなみに前作では會川さんは脚本の他にストーリーエディターとしてクレジットされてるのですが
新シリーズに関する2chネタでは「シリーズ構成・吉田玲子」との表記があります。
ストーリーエディターとかシリーズ構成の役割に明確な境界があるのか微妙なんですが…
ググッてみたら、こんな表記例もありますしねぇ…… →■
で、この吉田玲子さんは「王ドロボウJING」なんかのシリーズ構成を担当してらしてる方のようでちょっと安心。
私ね、最初に原作の1話、カラー見開き終って、リオールの町並を描いてる1ページみて
牛様は熊倉裕一センセ(王ドロボウJINGの作者)のアシスタントでもやってたんじゃないかと思ったくらいなので、
序盤の世界観的にはJINGのノウハウ持ってる吉田玲子さんならいいもの作ってくれるんじゃないかと期待してますです。
ハイデリヒFan的にオシマイの烙印をおしちゃうワケですが……
参照として東方司令部 諜報課様に掲載されてる、
「嘘か真か2ちゃんねるネタ。」ソースはmixiとの事
監督・入江泰浩
シリーズ構成・吉田玲子
脚本・高橋ナツコ、西園悟、荒木憲一、山田由香、清水恵、もりたけし
キャラクターデザイン・伊藤嘉之
キーアニメーター・橋本浩一
ブロップデザイン・杉浦幸次&上石恵美
キメラデザイン・石垣純哉
美術デザイン・成田偉保
美術監督・橋本和幸
色彩設計・中山しほ子
音響監督・中嶋聡彦
音楽・大島ミチル
チーフ演出・岩崎太郎
制作・ボンズ&動画工房
岡村天斎とか京田がコンテやってるっぽい
12話まで脚本が完成してる